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10月17日のブログに引き続き、平安時代の不思議な話をご紹介します。今回は「一条戻橋の鬼女」という話で、前回出てきた源頼光(みなもとのよりみつ)の家来で四天王のひとり、渡辺綱(わたなべのつな)が主人公になります。
「平家物語」(鎌倉時代に成立)の「剣巻」によると、次のような話になるようです。
なお、「まんが日本昔ばなし」に、「らしょうもんのおに」という題名の話がありますが、これは「一条戻橋の鬼女」を子供向けに解りやすく書き直したものだと思われます。
ある日の夜、渡辺綱は、源頼光の使いとして平安京の一条大宮という所まで行き、その帰り、「戻橋」(「堀川」という川に架かる一条の橋)のたもとまでやって来た。すると、二十歳くらいの女がひとりで歩いていた。夜更けに連れもなしに歩いているので、「どこに行くのか?」と尋ねると、肌の白い美女だった。女は「五条までですが、物騒なので送ってもらえませんか?」と答えた。渡辺綱は女を馬に乗せて送ってやることにした。
堀川小路を下り、五条に近付くと、女は「実は、私が住んでいるのは都の外なのです。そこまで送ってもらえませんか?」と言い出した。渡辺綱は「良いですよ、送りましょう。」と答え、馬を走らせた。そのとき、女は突然、鬼に変身した。鬼は渡辺綱の髻(もとどり、束ねた髪のこと)をつかみ、「行くのは愛宕山だ!」と叫んで空中に飛び上がった。渡辺綱は振りほどこうとしたが、鬼の力はとても強かった。そこで、渡辺綱は携えていた名刀「髭切」を抜き、鬼の腕を斬り落とした。渡辺綱は、北野天満宮の回廊の屋根に落ちたが、鬼はそのまま愛宕山の方角に飛び去った。
渡辺綱は、鬼の片腕を持ち帰り、源頼光に見せた。源頼光は渡辺綱の手柄を褒めつつも、驚き悩んだ上、陰陽師 安倍晴明(あべのせいめい)に相談した。安倍晴明は「渡辺綱に七日間の物忌みをさせなさい」「鬼の腕を封じておきなさい」「仁王経(にんのうぎょう)を唱え続けなさい」と告げた。
七日間の物忌みの六日目、渡辺綱の屋敷に、渡辺綱の養母が訪ねてきた。渡辺綱が「七日間の物忌みの最中なので、明後日になったら屋敷に入れてあげられる」旨を伝えると、養母は「苦労しながら育てたのに、門のなかにも入れてもらえないのか」と泣いた。渡辺綱は情に負けて、養母を屋敷に入れた。
養母が「七日間の物忌みとは何事ですか?」と尋ねたので、渡辺綱は一連の出来事を養母に話した。すると、養母は鬼の腕をぜひ見せてほしいと頼んだ。渡辺綱は封じていた鬼の腕を取り出すと、養母の前に差し出した。養母は「これは恐ろしい、鬼の腕とはこんなものなのですか。」と言って、食い入るように見ていた。そして、養母は立ち上がりながら「これは私の手だから、返してもらうぞ」と言って、恐ろしい鬼に変身し、自分の腕を取り戻すと空に飛び去ってしまった。
ウィキペディア「渡辺綱」: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E7%B6%B1
ウィキペディア「一条戻橋」: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%9D%A1%E6%88%BB%E3%82%8A%E6%A9%8B
ウィキペディア「髭切」: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%AD%E5%88%87
テーマ:日本昔ばなし
- ジャンル:学問・文化・芸術
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